赤べこや起き上がり小法師をデザインした新しい会津米の米袋=会津美里町本郷の薄商店で2025年9月16日午後3時24分、錦織祐一撮影

 東北有数の米どころ、会津地方からお米文化をアップデートしたい――。福島県会津美里町の集荷業者「薄(うすき)商店」が、福島市のイラストレーターとともに米袋を愛らしいデザインにリニューアルした。社長の薄和義さん(49)は「お米が注目されている今こそおしゃれなデザインで会津米を差別化して、お米の価値を再発信したい」と力を込める。

 「令和の米騒動」が始まった昨秋、薄さんの店にも、より高値での買い取りを模索する農家からコメが例年より多く持ち込まれ、米袋の在庫が急減する事態に。今秋の収穫期に向けて「新たに製作するのならデザイン性の高いものに」と、以前からインスタグラムで注目していたイラストレーターのico.(いこ)=本名・物江麻衣子=さん(40)に依頼し、快諾された。

米袋の底には、会津米のおにぎりを食べて喜ぶ起き上がり小法師が=福島県会津美里町本郷の薄商店で2025年9月16日午後3時22分、錦織祐一撮影

 30キロの米袋に、会津の郷土玩具、赤べこと起き上がり小法師(こぼし)をデザイン。会津木綿の着物を着た女性からおにぎりをもらって喜ぶ愛らしい姿を描いた。横と底にはおにぎりを食べて喜ぶ起き上がり小法師も。ico.さんも親戚に米農家がいるといい「価格が上がった今こそ、国産米の良さを再認識するタイミング。生産者も消費者も笑顔になれるパッケージを目指しました」と話す。

 新しい米袋は農家の個人販売や自家消費の保管用にも使ってもらっており、薄さんは「広く使って活用してもらい、デザイン性で会津米の付加価値を高められれば」と期待している。【錦織祐一】

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