人工知能(AI)を活用した高機能たんぱく質の研究開発を手掛けるレボルカ(仙台市)は18日、七十七銀行から3500万円の資金調達を行ったと発表した。同社は2021年設立の東北大学発のベンチャー。短期・低コストで高機能たんぱく質を開発する技術を持っており、バイオ創薬分野や工業分野での実用化を目指している。
七十七銀は1500万円を融資するとともに、傘下の七十七キャピタル(仙台市)と組成した「2号ファンド」から2000万円を投資した。
たんぱく質は生命の維持に不可欠な物質であり、創薬分野で広く用いられる。酵素の形で触媒としても使われ、工業分野でも活用される。20種類のアミノ酸の膨大な配列パターンとそれらが重なる複雑な構造を特徴としている。
たんぱく質の構造と、どのような機能を持つかという関係性は解明されていない部分も多い。従来のたんぱく質工学は多大な時間と労力を使う一方で、成功率が低いという問題を抱えていた。
レボルカはAIを独自の方法で活用し、少ないデータを基に目的のたんぱく質を開発する技術を開発した。発見に30年かかったたんぱく質を7日間で創出した実績もある。すでに第一三共や住友ファーマ、積水化学工業などとプロジェクトを進めている。自社で遺伝性希少疾患の治療薬開発に取り組んでいるほか、たんぱく質研究におけるAI活用のコンサルティングも行っている。
今回の投融資により、レボルカはシリーズAエクステンションラウンドにおける累計5億1500万円の資金調達を完了した。創業時からの累計資金調達額は9億8500万円(うち融資3500万円)となる。
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