ガンホーの主力ゲーム「パズル&ドラゴンズ」の画面

ガンホー・オンライン・エンターテイメントは24日、臨時株主総会を開き、森下一喜社長の取締役解任決議案を否決したと発表した。物言う株主(アクティビスト)のストラテジックキャピタル(SC)が提案していたが、大株主らが同意しなかったもようだ。会社側と共同提案となっていた定款の一部変更については可決した。

森下氏は人気ゲーム「パズル&ドラゴンズ」を開発し、2010年代のスマートフォンゲームの草創期をけん引してきた。ただ、パズドラに続くヒット作に恵まれていない。

このため、SCは「森下氏は長年ヒット作を出せていない経営責任がある」と主張していた。SCは7月末時点の議決権ベースで11.01%を保有する大株主。3月の定期株主総会でも社長報酬減額などの議案を提出したが否決されていた。

今回の総会でSC側は①定款に定められた株主総会での取締役解任決議の要件を「議決権の3分の2以上」とする条項の削除、②森下氏の取締役解任、の2点を提案。このうち①の定款変更については、会社としても「賛成」として共同提案の形を取った。②については「反対」としていた。

SCの丸木強代表は総会終了後、報道陣に「残念だが、今後も経営改善のための働きかけを続けたい」と話した。

ガンホーは「短期的な事業環境の変化が激しい」として通期の業績予想を公表していない。市場予想(QUICKコンセンサス)では25年12月期の連結純利益は前期比27%減の81億円の見通しだ。

「パズドラ」やオンラインゲーム「ラグナロク」シリーズが長期で収益を上げているとしている。ガンホー側はパズドラが13年の長期にわたって収益を生み出しているとして、「森下氏は当社の業績に大きく貢献している」「解任された場合、企業価値が大きく毀損される恐れがある」などと反論していた。

今回は否決となったが、再成長に向けて具体的なゲーム開発見通しを含めた中長期の計画策定や、報酬体系の見直しなどが急務となる。

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