▼衛星通信 人工衛星を通じて地上と無線通信するサービス。山間地や離島、海上など携帯電話の基地局がない場所でも通信できる。かつては上空3万6000キロメートルを飛ぶ静止軌道衛星が使われてきた。コストの高さや通信の遅延などの課題があり、災害状況の把握や資源分布の把握などに使われることが多かった。

近年は上空2000キロ以下の低い軌道に打ち上げた複数の衛星を一体的に運用して通信をつなぐ「衛星コンステレーション」の活用が進む。従来の衛星に比べ高速で遅延の少ない通信が可能だ。人工衛星が比較的安価に打ち上げられたことで普及が進んだ。米スペースXのスターリンクが代表格で、既に運用中の人工衛星の半数以上を占める。最終的には全世界で4万2000基を配備する計画だ。
低軌道衛星による通信は、地上の通信網が十分に整っていない新興・途上国やケーブルが届いていない山間部などでの活用が期待される。一方、人工衛星が急増したことで、小天体の繊細な光を衛星の光がかき消してしまい天文学の研究がやりにくくなるなどの影響が出ている。今後も人工衛星は増える見通しで、低軌道衛星の運用ルールなどの議論も欠かせない。
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