
米マイクロソフトは25日、自社のサービスをイスラエル軍の部隊がパレスチナ人の監視に利用していたとして、この部隊に対するサービスの提供を停止したと発表した。英紙ガーディアンは8月、この部隊がパレスチナ人の通話データをマイクロソフトのクラウドサービスで大量に保存していると報じていた。
ガーディアンによると、このサービスを利用していたのは、イスラエル軍の情報収集部隊「ユニット8200」。パレスチナ自治区ガザ地区やヨルダン川西岸地区などでパレスチナ人の電話を盗聴し、音声データなどをクラウドに保存していた。
サーバーには7月時点で、少なくとも2億時間分の通話記録に相当するデータが残されていたとみられている。データは主に西岸でパレスチナ人を拘束する際などに活用されたが、2023年10月にガザの戦闘が始まってからは、攻撃対象の特定などにも使われていたという。
マイクロソフトは報道を受け、社内調査を実施。その結果、報道内容を裏付ける証拠を発見した。声明では「市民の監視のために技術を提供することはない」と強調した。
マイクロソフトではガザの戦闘を受け、イスラエルとの関係を問題視する従業員らの抗議が強まっていた。【カイロ金子淳】
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