武田薬品の大阪工場

武田薬品工業は30日、大阪工場(大阪市)内に建設予定の血漿(けっしょう)分画製剤の生産設備について、計画内容を再検討すると発表した。建設資材の価格高騰や建設事業者の人員不足を踏まえた。見直しにより建設完了が当初計画に比べて1年以上遅れる見込み。

同社は大阪工場に、血漿分画製剤の生産設備を新設する計画を2023年に発表した。投資額は当初950億円程度としていたが、24年度末時点で投資予定総額を1530億円に増額していた。25年度に着手して29年度に建設完了する予定だった。

改めて建設コストを見直した結果、さらなるコストの増加が見込まれたため、計画内容や建設予定時期の再検討に至った。武田薬品の担当者は「中止ではない。当社の血漿分画製剤を必要とする患者に対するコミットメントに変更はない」とコメントした。

血漿分画製剤は血液製剤の一種で、ヒトの血液成分を由来とした医薬品。買収したアイルランド大手シャイアーが得意とし、武田は同製剤をもとにした免疫グロブリン製剤などに力を入れている。

武田薬品の血漿分画製剤は国内では成田工場(千葉県成田市)で製造し、海外にも生産拠点がある。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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