三井化学は10月から研究開発体制を変更する。従来は研究開発を同じ組織で一体で進めてきたが、開発機能を分けて各事業部に置くようにする。中国勢との開発競争が厳しくなるなか、事業との連携を強化しより素早い製品やサービスの開発につなげる。

研究開発本部で一手に担ってきた開発機能を切り出し、10月以降はめがねレンズ材料などを手がけるヘルスケア、半導体材料などを手がけるICT(情報通信技術)などの各事業部に持たせる。

9月30日に開いたESG(環境・社会・企業統治)説明会で、橋本修社長は「中国勢はキャッチアップしてきていて、24時間体制で開発している企業もある。事業部と直結させることで開発スピードを上げていく」と話した。

顧客のニーズに対応しつつ「材料単体ではなく、加工技術なども合わせ複雑化する」(表利彦最高技術責任者)ことで競争力も高める。

研究開発本部は研究機能に特化して名称も「研究本部」と改める。より中長期の視点や新領域向けに注力し、時間軸の異なる開発機能とは別に将来の事業育成を目指す。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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