
魚由来の脂肪細胞の培養を手がけるシンガポールのスタートアップ、ImpacFat(インパクファット)は1日、日本に研究拠点を設置したと発表した。今後の研究開発などに充てるため、このほど東洋製缶グループホールディングス(GHD)などから資金を調達したことも発表した。
インパクファットは2022年設立。幹細胞生物学の研究者である杉井重紀氏らがシンガポールで立ち上げた。培養して量産する魚由来の脂肪は代替肉の風味や食感を改善するための食品素材としてのほか、サプリメントなどでの利用を想定する。まず26年に化粧品としての商用化を目指している。
同日、高輪ゲートウェイ内のスタートアップ支援施設「TAKANAWA GATEWAY Link Scholars' Hub(高輪ゲートウェイ・リンク・スカラーズ・ハブ、LiSH)」に入居した。同施設に入居している他のスタートアップや大手企業との交流や連携を見込む。インパクファットの杉井重紀氏は「日本のパートナー企業と組んで製造技術の確立や商品開発を進めたい」と話した。
インパクファットは現在、創業期にあたる「シードラウンド」の資金調達を行っている。東洋製缶GHDやスタートアップ支援のリバネス(東京・新宿)傘下の144ベンチャーズなどから出資を受けた。
東洋製缶GHDの中村琢司社長は「社会実装に向け中長期的に支援していく。投資だけでなく、将来的には保存や流通など弊社が得意な部分でも協業していきたい」と話した。

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