三菱電機は1日、電流や電圧の制御に用いられるパワー半導体の新工場棟の完成式を熊本県菊池市で開いた。電気自動車(EV)向けなどを念頭に生産を強化する。11月から稼働し、2027年の量産開始を目指す。

パワー半導体は、EVや家電、産業機器などに使われており、新棟では炭化ケイ素(SiC)パワー半導体を生産する。現在主流のシリコン製と比べてエネルギー効率が高く、中長期的にEV分野などで需要拡大が見込まれている。

ただ、EV市場の需要拡大ペースは想定より遅れており、同社は新棟の設備増強計画の一部を31年度以降に先送りした。漆間啓社長は記者団の取材に応じ、「どれだけ(生産)ラインを入れるかは、市場環境などを考慮しながら判断する」と語った。

完成した三菱電機の新工場棟(奥)=1日、熊本県菊池市

新工場棟の完成式に出席した三菱電機の漆間啓社長(右から2人目)ら=1日、熊本県菊池市

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