日産自動車は3日、横浜市の市街地で自動運転による輸送サービスの実証実験を始めると発表した。事前登録した一般利用者約300人を対象に、11月27日から約2カ月間実施する。2027年以降、運転手を置かない無人でのサービス開始も視野に入れる。

オフィス街や住宅地、観光地などが混在する横浜市のみなとみらいや関内周辺で車両を運行する。ミニバン「セレナ」をベースにした自動運転車両5台を使用。専用アプリで地域内に設けた26カ所の乗降ポイントに車両を呼び出し、目的地に向けて移動する。

管制室から運行状況を遠隔で監視し、トラブルなどの発生時には、担当者が駆け付ける。緊急時に備え、常に運転手が同乗するが、原則としてハンドル操作はしない。状況に応じて手動運転に切り替える自動運転の「レベル2」に相当する。

イバン・エスピノーサ社長は発表会の席上、事業化には、「(自動運転の)技術にとどまらず、仕組みづくりが重要だ」と強調。運用上の課題を洗い出す考えを示した。自動運転運用システムを手掛けるソフトバンク子会社や京浜急行電鉄などとも協力する。

自動運転による輸送サービスの実証実験で使用する日産自動車の車両=3日午前、横浜市

自動運転による輸送サービスの実証実験について説明する日産自動車のエスピノーサ社長=3日午前、横浜市

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