証券口座が不正アクセスで乗っ取られ、株式が勝手に売買されている問題で、金融庁は6日、9月末時点の被害状況を発表した。9月の不正取引件数は前月比75%少ない156件と急減した。証券各社のセキュリティー対策や顧客への啓発が進んできたためとみられる。

 9月は不正取引による売買額は同82%減の95億円だった。ピークだった4月(不正取引2984件、売買額2930億円)と比べると、1割以下の水準まで大幅に減少した。

 今年1~9月の不正取引の累計は、件数は8970件、売買額が6903億円になった。不正取引があった証券会社は前月までと同じ18社。新たに発生した証券会社はなかった。

 被害ペースが急減したのは、ログインする際にID・パスワードに加えて他の情報も入力する「多要素認証」が定着したためとみられる。

 取引件数、金額とも一段落しているが、証券会社を装ったメールから偽サイトに誘導するフィッシング詐欺による被害は続いているため、金融庁は注意を呼びかけている。

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