
SCREENホールディングスは6日、最新のデジタル印刷機を展示・実演する「インクジェットイノベーションセンター東京」(東京・江東)を開設した。印刷会社などを招いて、様々な紙質やインクで試し刷りができる。少ない人手で小ロット・多品種の印刷ができるデジタル印刷機への切り替え需要を捉える。
広さ1340平方メートルのスペースに、パンフレットやラベルなどをプリントできる大型印刷機4台を置いた。断裁機やソフトウエアといった他社の関連製品も展示し、印刷工程を一貫で実演できるようにした。もともとアナログ印刷で使う製版機を中心に展示していたが、主力のインクジェット印刷機をメインとした施設に改装した。
全長15メートルほどの最新機の実演もできる。ロール紙をセットしてボタンを押すだけで、1分間に100メートルの速さで高精彩な印刷ができる。印刷会社だけでなく、印刷の発注元である食品メーカーや出版社などを呼び込み、実際の画像データを使った商品パッケージやラベル印刷なども試せる。

印刷業界は大量印刷に適したオフセット印刷から、小ロット・多品種に対応できるデジタル印刷に移り変わっている。インクジェット印刷もデジタル印刷の一つで、SCREENは今後の普及を見込んで、これまでにインクジェット機の展示施設を米国とオランダ、京都に相次ぎ開設している。
東京では立地の良さを生かして年間2500人ほどの来場を見込む。子会社のSCREENグラフィックソリューションズの田中志佳社長は「人手不足で印刷業界は厳しい。デジタル化が遅れているパッケージやテキスタイル、建材などの印刷でも徐々にインクジェット機が普及していく」と話した。
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