東京駅前で通勤する人たち

マイナビは7日、管理職の中途採用や転職に関する調査を発表した。管理職を中途採用した企業の割合は半数近くにのぼり、4年前の調査から10ポイント以上増えた。管理職を中途採用する動きが広がるなか、年齢によって転職が難しくなる「年齢の壁」を感じる人が少なくなっている。

2025年1〜6月に中途採用に携わった人事担当者と、20〜50代の正社員で直近1年以内に転職した人を対象に7月にインターネットで調査した。人事担当者の有効回答数は1600件、転職者は500件。

人事担当者のうち管理職を採用した割合は49.6%だった。採用した管理職の役職別では、部長クラスが29.9%と21年から10.1ポイント増え、課長クラス(38.9%)は同9.5ポイント上昇した。

管理職の採用理由を複数回答で尋ねたところ、「マネジメント経験が豊富な人材を求めたため」が33.0%と最も多かった。「管理職層の(性別・年齢・バックグラウンドなどの)多様性を高めるため」(32.0%)や「採用市場が活況で、好条件で採用できるタイミングだった」(31.6%)が続いた。

転職者に転職理由を最大3つまで尋ねたところ、転職活動時に管理職だった人は「会社の将来性に不安があった」が(33.8%)と最も多く、非管理職だった人は「給与が低かった」(26.5%)が最多だった。

マイナビキャリアリサーチラボの朝比奈あかり研究員は「管理職は会社の将来性や経営方針が見えやすい立場にある可能性があり、そこに不安を感じると転職につながりやすいのでは」と指摘する。

マイナビの調査では、管理職の年齢層である40〜50代の転職率が上昇している。朝比奈研究員は「企業が管理職人材を確保するためには、採用活動の強化だけでなく、経営の健全性を保つことが求められる」と指摘する。

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