経済産業省がこのほど公表した2024年度の「電子商取引に関する市場調査報告書」によると、23年の消費者向け電子商取引(BtoC-EC)の市場規模は、26兆1225億円で、前年より5.1%増加した。14年の市場規模は12兆7970億円で、この10年間で約2倍になった。
24年の分野別の市場規模を見ると、「物販系」が前年比3.7%増の15兆2194億円、旅行やチケット販売など「サービス系」が同9.47%増の8兆2256億円。オンラインゲームや電子出版などの「デジタル系」が同1.0%増の2兆6776億円。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により大幅に落ち込んでいた旅行サービス、飲食サービス、金融サービスが、昨年に引き続き大きく市場を拡大した。消費者向け市場でのネットショッピングの占める割合(EC化率)は、前年比0.4ポイント上昇し、9.8%となった。
物販系で最もEC化が進んでいるのは、「書籍、映像・音楽ソフト」の56.45%(市場規模1兆8708億円)。「生活家電、AV機器、PC・周辺機器など」は43.03%(同2兆7443億円)。「生活雑貨、家具、インテリア」は32.58%、「衣類・服装雑貨」は23.38%。「食品、飲料、酒類」は4.52%だが、EC市場規模は24年に3兆円を超えて項目別では最大となっている。
サービス系で項目別に市場規模を見ると、最も大きい「旅行サービス」が前年比10.32%増の3兆5249億円。「金融サービス」は16.59%増の9890億円。飲食や理美容、チケット販売といったサービスも7000億円から9000億円台の規模がある。
デジタル系分野で最も市場規模が大きいのはオンラインゲームだが、前年比0.58%減の1兆2553億円となった 。電子出版は前年比0.58%増の6722億円、有料動画配信は3.31%増の4873億円、有料音楽配信は5.84%増の1233億円だった。
【資料】
- 通商産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」
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