
NANO MRNAは8日、ヘルスケア分野のスタートアップに投資する100億円規模のファンドを立ち上げ、SBI新生企業投資と共同運営を始めると発表した。大企業からカーブアウト(切り離し)したヘルスケア事業や未公開企業に投資し、新規株式公開(IPO)で収益を得ることを目指す。東証グロース市場の上場維持基準の引き上げにも対応する。
NANO MRNAはメッセンジャーRNA(mRNA)を使った創薬を手がける。12月に投資事業を担う子会社としてNANOブリッジインベストメント(NBI)を設立する。新株予約権の割り当てを通じてSBI証券から40〜50億円程度を調達し、外部の投資家からも調達する。
投資事業を担う人材として、ウィズ・パートナーズの取締役最高執行責任者(COO)兼最高投資責任者(CIO)を務めた飯野智氏をNANO MRNAのCIOに引き入れた。今後、NBIの代表取締役社長に就任する予定。NANO MRNAは2026年4月に持ち株会社へ移行する。
東証は30年に向け、グロース市場の上場維持基準を上場後5年で時価総額100億円以上に引き上げる。NANO MRNAの時価総額は8日終値ベースで94億円と、変更後の基準には届かない。投資事業で収益源を多角化し、企業価値向上を図る。
8日の記者会見でNANO MRNA の秋永士朗社長は「上場維持基準引き上げにより、今後資金調達に課題を抱える企業が増えるとみる。投資事業への参入で多くの投資チャンスをものにし、株主還元できると期待している」と語った。

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