北川進・京都大学特別教授のノーベル化学賞受賞が決まったことを受け、9日午前の東京株式市場では、北川氏と「金属有機構造体(MOF)」の共同研究を進めてきたレゾナック・ホールディングスの株価が反発した。一時前日比326円(6%)高の6174円まで上昇し、2018年10月以来およそ7年ぶりの高値をつけた。

MOFは狙った物質を微細な空間に自在にとじ込めることができ、二酸化炭素(CO2)をはじめとする様々な物質の分離や貯蔵に使える。果物の鮮度維持や半導体製造で実用化しているほか、今後は脱炭素分野での応用も期待されている。
レゾナック傘下の石油化学事業会社、クラサスケミカル(大分市)が石油化学コンビナートなどで出る排ガスからCO2を効率よく分離回収する技術の研究を進めており、北川氏とは前身の旧昭和電工時代から連携して研究を重ねてきた。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之チーフストラテジストは「脱炭素分野では期待されてきた技術で、受賞をきっかけに投資家に一段と注目される投資テーマとなりそうだ」と指摘する。
クラサスケミカルは2年以内の株式上場を目指している。レゾナックが2割未満の出資を残しながら一定要件を満たすことで実質非課税で分離できる「パーシャルスピンオフ」制度を活用する方針だ。
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