
アサヒグループホールディングス(GHD)は9日、サイバー攻撃によるシステム障害の影響で、9月分のビールなどの販売実績統計の発表を見送ると明らかにした。受注や出荷などのシステムが停止しており、正確なデータの集計ができないためとしている。
同社では9月29日にランサムウエア(身代金要求型ウイルス)によるシステム障害が発生。受注や出荷などのシステムが相次いで停止した。現在は手作業による受注処理など、部分的に業務を再開しているが、全面的な復旧のメドは立っていない。
本来は10日に9月分の販売実績を発表する予定だったが、障害の影響で集計作業が進まず、発表を見送ることにした。ビール大手4社は毎月上旬に前月の販売実績を公表している。
同日、11月1日出荷分から予定していた国産ウイスキー「ブラックニッカクリア」など5ブランド26品目の値上げを延期すると発表した。出荷できる商品が一部に限られているためで、値上げの実施時期は未定としている。
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