日立製作所は10日、点検後の送配電設備の原状復帰作業を担う人工知能(AI)エージェントを開発したと発表した。点検前後の設備の画像を米グーグルの生成AI「Gemini(ジェミニ)」に送ると、原状復帰に必要なチェックポイントを確認してもらえる。社会インフラの現場で働く作業員の負担を減らし、ミスの軽減にもつなげる。
日立は2024年に生成AIの活用でグーグルと連携しており、今回のAIエージェント開発もその一環。まず日立子会社で電力設備の保守事業を手掛ける日立パワーソリューションズで実用化に向けた技術検証を始める。機能拡張などを経て外販も検討する。
日立は24年に鉄道分野で立ち上げたAIソリューション「HMAX(エイチマックス)」を、送配電設備や産業機器といった他の事業領域に展開しようとしている。今回のAIエージェントも将来的にHMAXソリューションの一つとする考えだ。HMAXの受注件数を9月時点の50件から、27年度に1000件、30年度には2万件へ増やしていく目標も掲げる。
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