東証プライム上場時に記者会見する東京メトロの山村明義社長(2024年10月、東証)

東京地下鉄(東京メトロ)は10日、前社長の山村明義取締役が辞任したと発表した。社員に対し不適切な言動を取ったとの内部通報があり、外部弁護士による調査でも事実と認定された。山村氏本人も取締役を辞任する意向を示したため、同日付の取締役会で辞任届を受理した。

経営責任を明確にするため、小坂彰洋社長が月例報酬の20%を2カ月間、上原淳副社長が月例報酬の10%を2カ月間、それぞれ自主返納する。

同社によると、今年8月に内部通報窓口に山村氏が「社員に不適切な言動を行った」との通報があった。外部弁護士が調査し、通報内容が事実とみなした。委員の過半数を独立社外取締役で構成する指名・報酬委員会においても辞職が妥当との判断が下されたため、山村氏の辞任が決まった。

東京メトロは「ステークホルダーの皆様にご迷惑、ご心配をおかけしますことを深くお詫び申し上げます」とのコメントを出した。通報の中身については「内部通報者を保護する観点から明らかにできない」としている。

山村氏は1980年に帝都高速度交通営団(現東京地下鉄)に入団した。鉄道本部長などを経て2017年に社長に就任し、24年の東証プライム市場への上場を主導した。25年6月に社長を退任して取締役に就いていた。

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