原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けて佐賀県玄海町で進む文献調査を巡り、県と、町に隣接する唐津市が、国からの交付金の配分を受け取らない方針を町に伝えていたことが19日、町への取材で分かった。

県の担当者は取材に「最終処分場を受け入れる考えがないので受け取らない」と説明した。町には九州電力玄海原発が立地する。山口祥義知事は原子力利用に関わる「新たな負担は負わない」とし、文献調査に続く調査で、知事の意向が重要となる概要調査を受け入れない考えを示していた。

玄海町での文献調査は昨年6月に始まり、期間は2年程度が想定される。町によると、交付金は2年間で最大20億円。調査を受け入れた自治体が5割以上を受け取り、残りを都道府県や近隣自治体に配分することができる。

町は今年3月、国から最初に交付される予定の2025年分の10億円を巡り、関係自治体で協議するよう国から通知を受けた。7月に県、唐津市と協議を行い、2億5千万円ずつの配分を提案したが、いずれも受け取らない考えを町に伝えた。町は10億円を全額受け取る方針で、10月中に国に交付を申請する予定。

先行して文献調査が行われた北海道の寿都町と神恵内村にはすでに交付金が支払われたが、道は核のごみを受け入れがたいなどとする条例に基づき、いずれについても配分を受け取らなかった。〔共同〕

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