
猫用品の製造販売会社「クロス・クローバー・ジャパン」(盛岡市)は、岩手県の伝統工芸である岩谷堂簞笥(たんす)の職人と連携して開発した猫の爪研ぎ用の新商品の受注販売を始めた。後継者不足が課題になっている伝統工芸の技術を生かし、新たな市場を切り開くのが狙い。
猫が爪を研ぐのは、武器になる爪を鋭くする本能的な行動や、ストレス解消などが原因とされる。室内の壁や柱で研いでしまう場合もある。
同社は「猫目線のものづくりで、猫の困ったを解決」がモットーで、猫用品のブランド「nekozuki(ねこずき)」を展開している。
新商品名は「がりがりスタンド」。高さ76センチのスタンド部分を岩手県産の木材で作った。爪を研ぐ部分(段ボール製)をスタンドにはめて使う。研ぎかすを受け止める引き出し付き。引き出しを外して、研ぎかすをまとめて捨てられる。構想から発売まで約8年をかけ、岩手県奥州市に工房がある伝統工芸士と試作を重ねた。
注文は自社サイトで受け付けている。注文を受けてから伝統工芸士が作るため、納期は2カ月。1台8万8000円と高価だが、爪を研ぐ段ボール部分を約5カ月を目安に取り換えて長期間使い続けられる。
同社代表の太野由佳子さん(48)は「伝統工芸の技術を応用した新商品を通して、伝統工芸を身近に感じ、新しい魅力を知ってほしい」と話している。【山田英之】
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