ブラックロックの運用商品への資金流入が継続=ロイター

【ニューヨーク=竹内弘文】世界最大の運用会社、米ブラックロックが14日発表した2025年7〜9月期決算で、期末の運用資産は13兆4636億ドル(約2040兆円)と前の四半期末比7%増えて過去最高を更新した。相場回復によりブラックロックが運用する金融商品への資金流入が増えた。

営業収益は前年同期比25%増の65億900万ドルだった。運用手数料の増加に加え、運用リスク分析ツール「アラジン」などテクノロジーサービス収入も伸びた。純利益は前年同期比19%減の13億2300万ドルだった。買収に伴う費用増やステーブルコイン発行の米サークル・インターネット・グループに対する出資の評価減が響いた。

運用商品には7〜9月期に2046億ドルの純資金流入があった。トランプ米大統領の相互関税発表で世界の金融市場が大混乱した4〜6月期の677億ドルから急増した。7〜9月期は米連邦準備理事会(FRB)が再び金融緩和に動き、米株式相場の最高値更新も続いた。金融環境の好転で投資家の運用意欲が高まった。

上場株や債券といった伝統的な金融資産以外を指す「オルタナティブ(代替)資産」の運用も増えている。

米大手プライベートクレジット(ノンバンク融資)のHPSインベストメント・パートナーズや米不動産投資エルムツリー・ファンズの買収を完了し、9月末時点のオルタナ運用資産は6630億ドル(共同投資も含む)と3カ月間で4割増えた。手数料収入に占めるオルタナ資産の比率は17%と、債券などの「フィクスト・インカム」の20%に近づいてきた。

決算説明会では、簿外債務が表面化した自動車部品メーカーや低所得者(サブプライム)向け自動車ローンを提供していた企業といった、最近の米クレジット市場での破綻事例の影響もトピックとなった。

ラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は「報告されている(破綻)事例は特定分野のストレスや不正疑惑など個別的な問題にとどまっている。資産担保融資や消費者向け融資全体に広がるストレスとは見なされていない」とコメントした。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。