NECは、複数台のパソコン（PC）の情報処理をサーバーで肩代わりする「仮想デスクトップ（VDI）」システムの新版の販売を開始したと発表した。サーバー側の画像処理半導体（GPU）を仮想的に分割し複数の仮想PCへ割り当てる「仮想GPU」に対応することで、画像やデータの処理性能を高めた。1日に出荷を始めた。

新版の名称は「VirtualPCCenter 6.7」。仮想GPUに対応することで、ビデオ会議や3次元CAD（コンピューターによる設計）、人工知能（AI）によるデータ分析など、GPUが得意とするアプリケーションを仮想PCで扱いやすくなった。

仮想GPUを割り当てた仮想PCでは、サーバー側でのGPUによる画像やデータの処理が可能となり、性能が向上する。仮想PCとサーバーのCPU（中央演算処理装置）負荷も低減する。例えば、ビデオ会議では仮想PCのCPU使用率を5割低減できるという。

ハイブリッドワーク環境の普及により、従来のオフィス勤務に加え在宅勤務やサテライトオフィスでの勤務が一般化している。こうした多様な勤務形態において、セキュリティーを確保しながら快適な作業環境を提供することは企業にとって課題となっている。

VDIシステムは、データをサーバーで管理することでセキュリティーリスクを軽減できる。一方で、GPU処理の制約で一部のアプリケーションで快適性が損なわれる場合があった。

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