水処理大手の栗田工業は15日、英国でリチウム生産の新技術の開発を手がけるスタートアップに出資したと発表した。出資額や比率は非開示。筆頭株主となり技術の独占使用権を取得した。栗田工業がリチウムの生産技術の使用権を取得するのは初めて。電子産業向けの水処理プラントを手がけており、知見を生かす。
7日に英新興のエボーブ(Evove)への出資を完了した。同社は地下からくんだ塩水などをフィルターや吸着膜でろ過してリチウムを取り出す技術「直接リチウム抽出法(DLE)」を開発・保有する。鉱石や塩湖の塩水から抽出する従来手法と比べて水の使用量や二酸化炭素(CO2)の排出を抑え、効率も上がるという。
同日、英スタートアップのノーザンリチウムと、エボーブの技術の活用で連携したと発表した。英国で2027年に生産を始める商用プロジェクトでのプラント設置を目指す。生産量は年間500トンを予定し、35年までに年間2万トンに引き上げる。

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