
【ロンドン=湯前宗太郎】オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングが15日発表した2025年7〜9月期決算は、純利益が前年同期比2%増の21億2400万ユーロ(約3700億円)だった。最先端半導体の量産に必要となる、極端紫外線(EUV)露光装置の販売が前四半期に続いて増えた。26年12月期に関しては「売上高は今期を下回らないだろう」とした。
売上高は75億1600万ユーロと1%増えた。増収増益は5四半期連続。人工知能(AI)向け半導体の需要がけん引してEUV露光装置の販売増加は続く。一方で、前世代の深紫外線(DUV)露光装置の販売は前年実績を下回っている。
新規受注は約54億ユーロだった。QUICK・ファクトセットがまとめたアナリスト予想(約58億ユーロ)を下回った。25年12月期の通期業績は売上高が前期比で約15%増、売上高総利益率(粗利益率)が約52%とした従来予想を据え置いた。
ASMLはマクロ経済や地政学リスクの不確実性を理由に、7月時点で26年12月期の見通しに関して「(成長を)確約できない」としていた。クリストフ・フーケ最高経営責任者(CEO)は同日の声明で、「来期の売上高が今期を下回ることはないだろう」と強調した。一方で需要の縮小から来期は中国での販売が落ち込む可能性を示した。

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