インドネシアに新設したコーティング剤の生産設備

DICはインドネシアで食品用の容器包装向けコーティング剤の生産を始めたと発表した。成長が期待される中国などのアジアとオセアニアに向けて輸出し、早期の市場取り込みを狙う。2030年までに年間1000トンの生産を目指す。

インドネシアの既存工場内に生産設備を設置し、2月に稼働を開始した。抗菌仕様の床材やエアシャワーなどを採用し、食品衛生管理に関する国際規格「HACCP(ハサップ)」の基準を満たす管理体制を導入した。インドネシアやマレーシアではイスラム教徒が多く、イスラム教の戒律に沿って製品を扱っていることを示すハラル認証も取得した。

生産するコーティング剤は、食品に直接触れられる素材でできており、食品包装の紙容器に耐水性や耐油性を持たせるために塗布する。現在はプラスチックフィルムを使うのが主流だがリサイクルが難しい。コーティング剤を使えば食品用紙容器の再生利用が可能になる。

これまでは日本、米国、英国で生産していた。同社は「(インドネシアは)地政学的に戦略的な立地に位置しており、さらなる設備増強も視野に入れている」とする。

【関連記事】

  • ・DIC池田社長、太陽HDの非公開化提案検討「年内には見通しを」
  • ・DIC、エポキシ樹脂製造設備を新設 生産能力1.6倍に

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。