清水建設の工事現場

清水建設は17日、環境配慮に関する新たな中長期の目標を発表した。建物を解体して回収した建材の再利用や廃棄物をリサイクルした建材の採用を増やし、建設工事など自社の事業で使う比率を2024年度の21%から30年に25%以上、50年に50%以上へ高める。資源循環を後押しし、環境意識の高い発注者の取り込みを狙う。

鋼材やコンクリートは製造時に天然資源を大量に消費する。建物の解体で生じる鉄スクラップやコンクリート廃材を建材に再生する技術が進展しており、廃材の回収網や再生材の調達ルートを広げる。再生材の採用や建材の再利用が多い建物の価値を評価する手法の確立も後押しする。

脱炭素についても調達資材の製造時や建設した建物の運用時に排出される二酸化炭素(CO2)を30年に23年度比で22%減らす。生物多様性の損失を止めて生態系の回復に力を入れる「ネイチャーポジティブ」にも力を入れる。30年までに全ての建設プロジェクトで、営業段階から現場周辺の自然環境の分析・評価に取り組む。

同業他社も資源循環に力を入れる。鹿島は30年度に主要資材の60%で再生材を使う目標を掲げる。竹中工務店は50年までに全ての建物の設計や工事で建材の再利用や解体後の活用も見据えた資材調達などの取り組みを実施する。

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