三菱ガス化学は17日、米スタートアップと、希少疾患などの治療に使う材料を日本国内で独占販売するための基本合意を結んだと発表した。相手企業は米コロラド大学に拠点を構えるCirena(シレナ)で、遺伝情報の一種であるRNA(リボ核酸)のうち特殊なものを合成する技術を持っている。

三菱ガス化学はバイオ医療で事業を広げるなか、今回の合意で新しい領域を確保する。独占販売契約に向けた交渉を進め、2026年3月までの成立を目指す。日本以外でも販促活動で協力する。

シレナは特殊なRNAを合成する技術を持つ。RNAの中には塩基という構成物質があり、シレナは300塩基以上の長いRNAをつくれる。このRNAを遺伝子編集に使い、希少疾患の治療や患者ごとに最適な治療法を選ぶ個別化医療に役立てる。

三菱ガス化学は核酸を使った医療で複数の事業を進めている。24年には北海道システム・サイエンス(札幌市)と業務提携し、核酸医薬の開発・製造受託(CDMO)参入も目指している。

BUSINESS DAILY by NIKKEI

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