武田薬品工業は22日、中国バイオ企業のイノベント・バイオロジクスとがん治療薬の共同開発で契約を結んだと発表した。イノベントが創薬した肺がんなど複数のがん治療薬の開発や商用化で提携する。武田薬品は契約一時金などとして12億ドル(1800億円)を支払う。

イノベントによると、開発や販売マイルストーン(進捗に応じて支払う報酬)として武田薬品は別途最大102億ドルを支払う可能性があり、契約の総額は最大114億ドルに達する。

肺がんや大腸がんの治療薬候補「IBI363」と、胃がんや膵臓(すいぞう)がんの治療薬候補「IBI343」の権利を取得する。武田薬品が中国、香港、マカオ、台湾以外の全世界での開発や販売の権利を得る。

IBI363については両社で共同開発し、米国で共同販売する。いずれも後期開発段階にある。初期開発段階のがん治療薬候補である「IBI3001」は武田薬品が中国、香港、マカオ、台湾以外の全世界での権利を取得する可能性がある。

武田薬品グローバルオンコロジービジネスユニットプレジデントのテレサ・ビテッティ氏は「(今回権利を取得する)2つのプログラムには、当社のがん領域のポートフォリオに変革をもたらし、2030年以降の当社の成長を大きく高める可能性がある」とコメントした。

【関連記事】

  • ・武田薬品、「細胞療法」の研究開発を中止 減損580億円計上見込み
  • ・武田、AIで需要予測を1週間→数時間に短縮 薬高額化で廃棄負担重く
BUSINESS DAILY by NIKKEI

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。