
リンゴの香りと炭酸の刺激が爽やかなシードルは、夏のアウトドアシーンにも合う。最近はハーブやフルーツで風味付けした個性的な商品も増えている。その一つが長野県東御市のワイナリー、リュードヴァンの「シードルエピス」だ。ホップ、コリアンダー、オレンジを用いたシードルはビール感覚で楽しめる。
2008年設立のリュードヴァンは、かつてリンゴ畑だった耕作放棄地を開墾してブドウ栽培を始めた。多くのワイナリー同様、開業初期の経営を安定させるためシードル生産を手掛けたが、思いのほか好評だったことから現在も続けている。

こだわったのが原料のリンゴ。「東御市の中でも酸味に特徴のある旧東部町エリアで取れたふじを100%使用している」(小山英明代表取締役)。本場フランス産のシードルよりもガス圧を強くし、酵母を適度に残すことでコクを出したスタンダードの辛口をベースに、3年ほど前にエピスを開発した。
きっかけは県内の新興シードル醸造所が作ったホップ入り商品だった。「風味を付けただけでこんなにおいしくなるのか」と、小山さんは衝撃を受けた。ふじのシードルはやり尽くした感があったが、「うちで作ればこういう味になるというのを作りたくなった」。

エピスはビール好きにも、苦手な人にもお勧め。姉妹品にラズベリーなどを用いた赤色の「エピス・ルビー」もある。330ミリリットルの飲みきりボトルでエピスが880円、エピス・ルビーが1100円。東御市のワイン販売施設「ワインテラス御堂」では生エピスが1杯600円で飲める。
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