耐久レースへ出場するトヨタの新型エンジン搭載車両(23日、岡山県美作市)

トヨタ自動車は25日、開発中の新型エンジンを載せた車両を初めて耐久レースへ出場させると発表した。小型化と高出力化を両立する機種で、スポーツ車やピックアップトラックでの活用が見込まれる。電気自動車(EV)市場の失速でエンジンが再び脚光を浴びるなか、早期の実用化へつなげる。

岡山県美作市の「岡山国際サーキット」で25〜26日に開催される「スーパー耐久レース」2025年シリーズ第6戦(全7戦)で出走する。3時間の耐久レースとなっており、過酷な環境下での走行で課題を洗い出す。

搭載する新型エンジンは排気量2.0リットルで、ターボチャージャー(過給器)を併用する。排気量2.4リットルの既存機種と比べて体積と全高をいずれも1割減らしながらも高出力を実現できると公表していた。

車両の構造もスポーツ車「GRヤリス」をベースにし、欧州メーカーの一部スポーツ車などで用いられる「ミッドシップ型」を採る。エンジンを車体前部ではなくて後輪前へ配置し、重心を中央へ寄せる。コーナーなどでドライバーによる操作への反応がよくなるという。

トヨタはミッドシップ型車両を1984年に発売したスポーツ車「MR2」で国産として初めて量産化した。後継の「MR-S」は07年に生産を終了し、開発は約20年ぶりとなる。今回、豊田章男会長も4人で交代するドライバーの一人を務める。

トヨタは24年1月、新型のエンジンを2種類開発すると明らかにした。今回のエンジンはそのうちの一つで、同年5月に性能を公表していた。

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