28日の東京株式市場でニデック株が一時、値幅制限の下限(ストップ安水準)となる前日比500円(19%)安の2070円まで下落した。
27日の取引終了後、日本取引所グループ(JPX)がニデック株を内部管理体制の改善を求める特別注意銘柄に28日付で指定すると公表した。これを受け、日経平均株価と東証株価指数(TOPIX)の構成銘柄からも除外されることも決まった。企業統治(ガバナンス)の不備を嫌気する投資家らの売りが広がった。
株価指数の構成銘柄から除外されたことで日経平均やTOPIXに連動する投資信託などがニデック株を売却するとみられる。SMBC日興証券のリポートでは、日経平均連動で約1200億円、TOPIX連動で約3400億円の売り圧力が発生すると予想している。
ニデックは9月に経営陣が関与または認識した上で、不適切な会計処理に関わったと解釈しうる資料を発見したと発表。第三者委員会が不適切会計の疑いを調査しており、2025年3月期の有価証券報告書は適正性が「意見不表明」となったほか、26年3月期の業績予想を「未定」に変更した。
松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「株価指数の構成銘柄からの除外でインデックスに投資する機関投資家からの売り圧力が強い。これまでの下落で押し目買いしていた個人投資家の損切りも出てくるため、短期的には弱い値動きが続くだろう」と話す。
今後はいち早く不適切会計疑いの調査が進み、業績見通しを公表することが重要になる。楽天証券経済研究所の窪田真之チーフ・ストラテジストは「M&A(合併・買収)を活用しながら事業を拡大した成長株で、この構造改革を乗り越えられれば次の成長につながる」と指摘する。
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