JR東海は29日、リニア中央新幹線の品川―名古屋間の工事費が、11兆円になりそうだと発表した。従来見込みの7兆円から4兆円増額となる。開業時期は、2035年を想定。当初の27年から8年遅れとなる。

 物価高騰の影響で2.3兆円、難工事への対応で1.2兆円程度、工事費が増えるという。

 静岡県内の南アルプストンネルの工事着工の見通しが立たず、昨年3月には27年としていた開業時期が遅れると明らかにしていた。今回の発表でも、「試算のために仮置きした」としており、開業時期の見通しを示したものではないという。

 丹羽俊介社長は「(工事費の増額を)重く受け止めている。今後、プロジェクトの管理機能を強化したい」と述べた。

 同社は従来、東海道新幹線ののぞみ指定席料金に700円を追加した料金でも、「株主への安定配当や健全経営に問題がない」と説明してきた。丹羽社長は、今回の見直しでもその点は問題がないとしながらも、「(プラス700円は)サービスに見合ったものとは考えていない。圧倒的な速達性やサービスを前提に設定することになる」と述べ、より高い料金設定の検討を示唆した。

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