
【ヒューストン=大平祐嗣】米航空機大手ボーイングが29日発表した2025年7〜9月期の決算は、純損益が53億3900万ドル(約8100億円)の赤字(前年同期は61億7400万ドルの赤字)だった。赤字は13四半期連続。新型大型機「777X」の開発・納入遅れにより49億ドル(約7400億円)を費用計上し、経営不振が続いている。
ボーイングは777Xの初号機の納入が26年から27年に遅れると発表した。当局からの認証取得が長引いており日程を見直した。777Xは当初20年の就航を目指していたが、墜落事故などの影響を受けて開発が遅れている。
米CNBCに出演したケリー・オルトバーグ最高経営責任者(CEO)は「(777Xの)性能は非常に良好でエンジンや機体構造に問題はない。まだ26年に納入できる余地もある」と発言した。
売上高は前年同期比30%増の232億7000万ドルだった。7〜9月の航空機の納入機数は160機となり前年同期の116機を大幅に上回った。四半期ベースの納入機数は墜落事故を起こした18年以来で最大だった。主力小型機「737MAX」の生産が増えた。

7〜9月のフリーキャッシュフロー(FCF、純現金収支)は2億3800万ドルの黒字だった。前年同期(19億5600万ドルの赤字)から黒字転換し、7四半期ぶりの黒字となった。
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