
日産自動車は29日に報道公開された「ジャパンモビリティショー2025」で、16年ぶりに刷新する新型「エルグランド」を初公開した。業績不振の日産は新車攻勢で再成長する考えで、エルグランドがその目玉となる。イバン・エスピノーサ社長は「日本は中核であり続ける。(巻き返しへ)全力を尽くす」と強調した。
――エルグランドはモデル刷新が遅れました。
「我々は日本で顧客が気に入ってくれている車を投入している。エルグランドは日本のためだけに設計しており、日本の重要性は忘れていない。日本市場はベースだ」
「当社は(経営再建計画である)『Re:Nissan』の次の段階に入っている。これまではリストラやコスト削減が中心だったが、今後は明るい将来に向けた商品やあらゆるソリューションを提供していく。顧客意識の向上が今後のテーマだ」
――前回のモビリティショーと違い、ハイブリッド車(HV)の存在感が高まりした。
「電気自動車(EV)の真の需要が見えてきた。顧客の中にはEVを好む人もいる。だからEVを出している。ただ、多くの人はEVのことがよく分からず買い控えをしている」
「そこで(日産独自のHV技術である)『イーパワー』が役割を果たせる。日産はすべての需要に対応できる技術がある」
――イーパワーの重要性についてどう考えていますか。
「戦略の中心に据えている。開発部隊のおかげで静粛性も燃費も格段に上がった。(HVの普及が進むことで)EVへの移行もやりやすくなる」
――リストラ計画が進むなか、車両生産が移管される九州の役割はどうなりますか。
「九州は(車両生産の終了を決めた)追浜工場(神奈川県横須賀市)の従業員も受け入れられる。現時点では様々な選択肢を考えている」
「追浜工場の跡地については、なかなか車の工場を持続可能なかたちで運営するのは難しい。跡地を他の企業に売却する以外の選択肢も考えている」
――トランプ米大統領は28日夕に都内で企業経営者らと会合を開きました。
「握手と自己紹介はしたが、その程度の対話だ。それ以外には(会話内容は)ない」
(聞き手は落合修平)
イバン・エスピノーサ 01年モンテレイ工科大学卒。JATOダイナミクスなどを経て、03年にメキシコ日産に入社。18年に日産の常務執行役員。24年、チーフ・プランニング・オフィサー。メキシコ出身。
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