米リバティメディアのジョン・マローン会長=ロイター

【ニューヨーク=清水石珠実】米メディア大手のリバティメディアは29日、創業者で会長を務めるジョン・マローン氏が2025年末で退任すると発表した。ケーブルテレビ(CATV)業界の将来性をいち早く見抜き、CATV番組制作会社として立ち上げたリバティをメディア大手に育て上げた。30年以上会社を率いてきたが、経営の一線から退く。

マローン氏は、2026年1月1日付で名誉会長に就く。取締役会のメンバーからも外れる。リバティが29日に出した声明のなかで、マローン氏は「大株主として、継続的に戦略的なアドバイスを経営陣や取締役会に行うことを楽しみにしている」と述べた。

マローン氏は、通信・メディア企業の買収案件に多く関与し「CATV業界の買収王」の異名を持つ。1990年代には、当時経営していたCATV会社テレ・コミュニケーションズ(TCI)を米通信大手AT&Tに売却し、いち早く「通信と放送の融合」を目指した。

リバティは17年に、自動車レース「フォーミュラ・ワン(F1)」の事業を取得した。二輪車レースの最高峰「MotoGP(モトGP)」の商標権も獲得し、最近ではモータースポーツの世界展開に力をいれている。

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