清掃ロボット「JILBY(ジルビー)」と記念撮影に納まるアイリスオーヤマの大山晃弘社長(右)とNTT西日本の北村亮太社長=アイリスオーヤマ提供

 生活用品大手「アイリスオーヤマ」(仙台市)は29日、完全自社製の法人向け清掃ロボット「JILBY(ジルビー)」を2026年中に発売すると発表した。NTT西日本グループが開発した人工知能(AI)システムを搭載。利用者とロボットの会話や、蓄積したデータを基に清掃のルートや時間帯の最適化などを可能にした。

 ジルビーは他にも、清掃を終えると自動で充電ステーションに戻る自動充電機能を備え、比較的音量を抑えた「静音モード」など汚れ度合いや環境に応じた3段階の清掃モードを搭載した。また、親しみを持たれやすいよう、愛らしい「目」を持つ。

 同社は人口減少による労働力不足解消の観点から20年にロボット事業に参入。この5年間で、累計6500社超で導入されてきた。完全自社製を目指し、23年にはロボット開発のスタートアップ企業をグループ会社化し、ジルビーの開発を進めていた。

アイリスオーヤマが完全自社製で開発した清掃ロボット「JILBY(ジルビー)」=仙台市青葉区で2025年10月29日、山中宏之撮影

 発表会で大山晃弘社長は「清掃に限らないサービスロボットによる社会課題の解決に向けて国内ロボットメーカーとして本格的に稼働し、27年には1000億円の売り上げを達成したい」と目標を掲げた。

 またこの日、アイリスオーヤマはNTT西日本と、現地で集めたデータを基に行動を自ら判断する技術「フィジカルAI」分野などで業務提携することで基本合意した。ジルビーが初の事例となる。NTT西日本の北村亮太社長はロボットを次世代の社会インフラと位置づけ、「地域の諸課題に対して幅広い領域で連携していきたい」と語った。【山中宏之】

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