京セラは日本航空電子工業と資本業務提携する

京セラは30日、NEC傘下の日本航空電子工業と資本業務提携すると発表した。NECが保有する33%(約2200万株)の日本航空電子株を31日付で取得する。取得額は非開示だが、30日終値で単純計算すると650億円規模になる。同社の製品を京セラグループの拠点で生産するほか、両社の設計ノウハウを生かして共同開発も進める。

京セラグループのチェコ工場で日本航空電子のコネクターを製造するなど両社はすでに業務提携関係にある。京セラのコネクター事業の年間売上高は約300億円で収益率は高いという。出資後は、チェコ工場での生産品目の拡大や京セラの他の海外拠点での製造受託、販売面での協力など提携の範囲を広げる。

京セラの谷本秀夫社長は同日のオンライン記者会見で「コネクターはあらゆる電子機器に使われ、世界市場は伸びている。車載関連に強みがある日本航空電子と組むことで事業を広げていく」と述べた。京セラは車載向け電子部品で欧州に販路を持ち、両者の強みを生かして新たな顧客を開拓する。

京セラは業績不振に伴って構造改革を進めており、26年3月期に売上高で合計2000億円規模の事業売却を計画している。一方で成長が見込める事業にはM&A(合併・買収)や出資を通じ収益源を強化する方針を明らかにしていた。

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