富士通は30日、データ分析を手掛けるブレインパットをTOB(株式公開買い付け)で完全子会社化すると発表した。取得額は約565億円の想定だ。同社は200人以上のデータサイエンティストを持つ。データ分析の知見を生かし、注力するデジタルトランスフォーメーション(DX)支援事業を強化する。

1株2706円でTOB(株式公開買い付け)を実施する。ブレインパットの30日終値の1377円の2倍になる。買い付け期間は31日から2025年12月15日。ブレインパットはTOBに賛同し、応募への推奨を示した。

ブレインパットは2004年3月に創業し東京証券取引所プライム市場に上場する。企業の経営改善を支援するビッグデータの活用サービスなどを手掛ける。25年6月期の連結決算の売上高は117億円だった。

富士通は人工知能(AI)を活用して企業のDXを支援する事業「ユーバンス」に力を入れている。AIの活用を進める上では、組織の内外にある膨大なデータを整理、分析するノウハウが欠かせない。

磯部武司最高財務責任者(CFO)は同日開いた決算会見で「(ブレインパットが持つ)先端的なデータ分析をできる人材は貴重で、ユーバンスビジネスを加速する上で重要だ」と買収の意義を述べた。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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