
関西電力は5日、美浜原子力発電所(福井県美浜町)で原発の新設に向けた地質調査に着手したと発表した。2030年ごろまで調査を続け、採算性なども踏まえて原発新設の可否を判断する。11年の東日本大震災による東京電力福島第1原発事故後、電力大手が新設を視野に地質調査をするのは初めて。
5日、資材や機材の搬入を始めた。10日にボーリング調査を開始する見通し。27年3月までボーリング調査などの「概略調査」をした後、対象エリアを絞りトンネル掘削などの「詳細調査」をする。地質調査の結果に加え、政府の原発新設への支援や資金調達の環境、次世代原発の開発状況などを踏まえ、最終的な投資判断を下す。
関電は7月に地質調査の実施を発表した。美浜原発は1、2号機の廃炉が決まっており、3号機のみ稼働している。原発の長期活用に向け、古くなった原発の建て替え(リプレース)を目指す。
政府はエネルギー基本計画で「廃炉が決まったプラントを有する原発サイト内で、次世代原発への建て替えの具体化を進める」方針を定めている。
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