武蔵小杉のタワーマンション群=川崎市中原区で2023年4月5日午後3時39分、本社ヘリから北山夏帆撮影

 不動産経済研究所(東京都新宿区)は、2025年度上半期(4~9月)の首都圏の新築マンション市場動向を発表した。神奈川県内の平均価格は前年度同期比22・6%上昇し、7838万円と過去最高を更新した。首都圏では東京23区の新築マンションは1億円を大きく上回っており、価格高騰は県内にも及んでいる。

 首都圏全体(東京、神奈川、埼玉、千葉)の新築マンション価格は同19・3%上昇し、9489万円だった。このうち、東京23区では同20・4%増の1億3309万円と大幅に上昇。首都圏全体の価格を押し上げた。

 神奈川県内のマンション価格は、22年度上半期5476万円▽23年度同期5771万円▽24年度同期6391万円――と、上昇ペースが急になっている。同研究所の上席主任研究員、松田忠司さんは「人件費や資材費など建設コストが上がっているが、インフレ(物価上昇)は“当たり前”になっている。若い世代を中心に購入意欲は落ちていない」と分析する。県内では横浜・川崎エリアがマンション市場をけん引しているという。

 25年度上半期の県内の新築マンション発売戸数は2181戸で、前年度同期比1・0%増加。一方、マンションが売り出された最初の月に契約する初月契約率は58・8%で、同10・4ポイントマイナスだった。

 松田さんは「価格が上がっているので、購入を決断するのに時間がかかっているのでは」と語る。今後については「マンション価格が下がる要素はあまりないのではないか」として、高価格での推移が続くと指摘している。【葛西大博】

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