左からパーソル総合研究所の岩田亮社長、将来宇宙輸送システムの畑田康二郎社長、ニューモの武藤健太郎CFO、EFポリマーの吉川弘志CFO(7日、福岡市)

福岡市内で開催中のスタートアップイベント「B Dash Camp(ビーダッシュキャンプ)」で7日、ロケット開発を手がける将来宇宙輸送システム(ISC、東京・中央)の畑田康二郎社長が登壇した。国内ではディープテック(先端技術)のなかでも宇宙スタートアップへの期待が高い。畑田社長は「世界に勝てるビジネスモデルを速くつくることが勝ち筋だ」と述べた。

「新産業を切り開くスタートアップの人材戦略」をテーマとしたトークセッションに登壇した。パーソル総合研究所の岩田亮社長、モビリティー事業を手がけるnewmo(ニューモ、東京・港)の武藤健太郎・最高財務責任者(CFO)らも参加した。

ISCは再使用型のロケットシステム「ASCA(アスカ)」を開発し、地球上の2拠点間の高速輸送や、2040年代には宇宙旅行の商用化を目指している。畑田氏は単発のプロジェクトや内部開発にこだわるのではなく、「外部から(技術や部品を)調達しながら、競争力のあるプロダクトを継続して開発することが重要」との考えを示した。

ISCが手がける再使用型ロケットやサービス構築には、人材が大きなカギを握る。「創業初期は人材採用には苦労した。宇宙産業を経験した人材から得たノウハウを記録として残したことで、現在は宇宙産業が未経験のIT(情報技術)出身の人材も増えている」と畑田氏は述べた。

パーソル総研の岩田社長は働き方が多様化したことで、「直近の5年間で副業からスタートアップへの転職につながる人が増えている」と話した。その上で「製造系の技術者やディープテック業界では人材の流動性が低く、今後のポイントとなる」と指摘した。

ビーダッシュキャンプは国内最大規模の招待制スタートアップカンファレンスで、7日まで3日間開催する。次のスタートアップ業界の勝ち筋を探る「Path to Winning」をテーマに、約1000人の起業家や投資家、官公庁の職員らが参加する。

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