
水産加工の北三陸ファクトリー(KSF、岩手県洋野町)と一般社団法人moova(モーバ、同)は7日、東京都内で「ウニ・サミット2025グローバル」を開催した。漁業者を含めた海に関わる産学官の約100人が参加、ウニを通じて世界の海洋環境を考え、回復への道筋を討議した。
海藻の群生地(藻場)が世界で減少し、海の砂漠化が急速に進行しているという。雑食性のウニが増えすぎ、海藻を食べ尽くしている。
登壇者は海藻を増やす技術が確立しておらず「取りっぱなし」の漁業となっている現状を紹介。オンラインで結んだオーストラリアからも海洋生物の多様性が失われていると報告があった。

KSFの下苧坪(したうつぼ)之典社長は「100年前に北三陸にあった海の豊かさは失われた。水産物を取る人の気持ちを考えずに食べる人が増えたからだ」と海洋環境回復に向けた行動を直ちに始める重要性を訴えた。
KSFとモーバは「ジャパン・ウニ・サミット」を2023年に洋野町で、24年に神奈川県逗子市で開いた。今回は地球規模の視点で課題と解決策の共有が必要と考えグローバルと銘打った。
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