
ソフトバンクは10日、生成AI(人工知能)でコールセンターの応答業務を代行するサービスの展開を始めたと発表した。自律思考するAIが顧客の問い合わせを音声で理解し、必要な情報を探して回答する。回答の内容をAIで適宜確かめるなど安全性にも配慮した。まずは大企業へ導入を進め、業務の5割程度の自動化を目指す。
ソフトバンクの子会社「Gen-AX(ジェナックス)」が「X-Ghost(クロスゴースト)」の名称で展開する。AIが音声を直接理解して、関連する情報を自ら集めて答える。文字に変換してから理解する在来型のAIと違い、顧客の感情や文脈まで把握して、高い精度で日本語の音声対話を続けられる。
基盤に米オープンAIの音声対話特化型のAIモデルを使い、対話の内容を監視するAIなどと組み合わせた。システムへの介入など悪意のある質問には回答を自動で止め、人による応対が必須の業務では円滑にオペレーターへ会話を引き継ぐ。
まず三井住友カードなど10社以上の大企業へ提供する。2026年3月には一般提供を始める。当初は座席数で1000席以上の施設を対象とする。クラウド型ソフトウエア(SaaS)サービスの提供を通じて、自治体などの小規模な利用にも対応していく。
社内窓口を含めると、関連する国内市場は約2兆円に達するという。今後は多言語や対話アプリ「LINE」の通話機能への対応も進め、小売りや旅客など幅広い業種へ展開する。将来は営業活動での活用やサービスの輸出も視野に入れる。
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