日本ハムは10日、早稲田大学発の医療機器スタートアップ、コアティッシュバイオエンジニアリング(CTBE、横浜市)に出資すると発表した。出資額は非公表。CTBEはウシの腱(けん)など動物由来の生体組織を使った人工靱帯の実用化を進めている。

日ハムは25年6月に新たな研究開発(R&D)戦略を発表し、畜産加工で発生する副産物を生かした医療領域での事業創出に力を入れる方針を示していた。外部の新興企業との技術連携の一環として今回の出資を決めた。

CTBEは2016年に早大の岩崎清隆教授が手がける脱細胞化技術で創業した。動物の組織から免疫反応を引き起こす可能性のある細胞成分を除去した上で、患者の体内に移植する技術で、この組織を足場に患者の組織再生につなげる。靱帯損傷の治療で有望視されている。

従来の靱帯再建では、患者の太ももの裏側にある腱などを採取し、それを加工して使っており、身体への負荷が大きかった。今回、人工靱帯の実用化の資金として日ハムを含む複数の機関から6億円を調達した。米国などでの事業展開を視野に入れる。

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