米投資ファンドのKKR

米投資ファンドのKKRは10日、エンジニア派遣会社のフォーラムエンジニアリングに対してTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。約900億円を投じて、完全子会社化を目指す。フォーラムエンジニアリングはTOBに賛同し、株主に応募を推奨している。

フォーラムエンジニアリングは、製造業などへの機械・電機系エンジニアの派遣事業を手掛けている。TOBの期間は11日から12月23日まで。買い付け価格は1株あたり1710円とした。10日の終値に対して33%のプレミアムとなる。

KKRは大株主である創業者の大久保泉氏とTOBへの応募契約を結んだ。TOBが成立すれば、フォーラムエンジニアリングは上場廃止となる見通し。

同社の佐藤勉代表は「機電系エンジニアに特化した人材ビジネスをKKRとともに日本及び世界に通じる強固なビジネスモデルに進化させる」とコメントしている。

KKRはTOBにかかる資金を主に国連の持続可能な開発目標(SDGs)に定量的に貢献する企業への投資を目的とした「グローバル・インパクト2号ファンド」から拠出する。日本企業に対して同ファンドからの拠出は初めて。人手不足という社会課題の解消につながる点を重視した。

人工知能(AI)の活用などを視野に、成長投資の資金を供給する。エンジニアの確保に向けて、フォーラムエンジニアリング従業員への同社株付与も検討する。

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