ヤマト運輸が実証実験のために導入した配送ロボ(22日、千葉県浦安市)

ヤマト運輸は22日、大型マンションでロボットによる配送の実証実験を始めた。ロボは宅配ボックスに入っている荷物を自ら取り出し、送り先の部屋に運ぶ。24時間稼働できるため夜間や早朝に受け取りたいといった要望に応えられる。物流業界で深刻化する人手不足に役立てる。

同日、実験の様子を報道陣に公開した。千葉県浦安市のマンションに、韓国のロボ開発のスタートアップ「WATT(ワット)」が開発したロボと専用の宅配ボックスを導入した。実証に同意した約60世帯を対象に効率や住民の満足度などを検証する。

ロボは玄関前に荷物を届ける「置き配」タイプと対面で荷物を渡すタイプの2種類がある。2種類ともあらかじめマンションの部屋やエレベーターの位置情報などをインプットしている。宅配ボックスから荷物を受け取る際に配送先の部屋番号のデータを入手し、荷物を機体に収納して出発する。

ロボの機体にはアームが1本ついており、エレベーターの階数ボタンや部屋の呼び鈴を押すことができる。目的の部屋に到着すると荷物を置いたり住民に直接渡したりして届ける。

大型マンションでは住民の生活スタイルによって受け取り方のニーズが多岐にわたる。ロボは夜中や早朝も稼働でき、一日に一度まとめて対面で届ける運用も可能だ。

ヤマト運輸は東京都内のマンションなどでも実証を予定しており、2026年中の実用化を目指す。他社の荷物への対応も検討しており、業界を横断して人手不足に対応する。

BUSINESS DAILY by NIKKEI

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