新大阪駅を発車する特急「パンダくろしお」の新ラッピング列車(11日、新大阪駅)

JR西日本は11日、新大阪―新宮(和歌山県新宮市)間を結ぶ特急列車「パンダくろしお」で、人気ゲームシリーズ「ファイナルファンタジー」のキャラクターデザインを手がけた天野喜孝さんのイラストをラッピングした車両の運行を始めた。アドベンチャーワールド(和歌山県白浜町)のジャイアントパンダが返還された後も、和歌山への観光を呼び込む話題作りを狙う。

アドベンチャーワールドと共同企画した「パンダくろしお『Utopia Smile(ユートピアスマイル)トレイン』」は、天野さんがユートピア(理想郷)をイメージし、全6両の車体や車内にパンダなど様々な動物や擬人化されたキャラクターを描いた。11日午前7時に新大阪駅で出発式を開き、天野さんは「個性あるキャラクターたちが、列車として沿線の風景の一部となってくれれば」と期待を込めた。

天野喜孝さんがデザインした動物やキャラクターが車体に描かれている(11日、新大阪駅)

パンダくろしおは2017年から運行を始め、現在3編成を運用している。車両検査に合わせて5年ぶりに新デザインを導入した。アドベンチャーワールドでは1988年から繁殖と展示を続けてきたジャイアントパンダを6月に中国へ全頭返還しており、和歌山県観光の新たな目玉が求められている。

車内にも天野喜孝さんのイラストが施されている(JR西提供)

JR西のマーケティング本部の増田真幸・和歌山営業部長は、パンダ返還後もパンダくろしおの利用が前年を上回って推移しているとした上で、「世界的アーティストである天野さんのファン層や、パンダロスを感じている人の利用を期待したい」と語った。

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