
三井不動産とトヨタ不動産、読売新聞グループ本社は22日、築地市場跡地(東京・中央)再開発の基本計画を策定したと発表した。多目的スタジアムの屋根を旧築地市場の形状にちなんだ扇形にすることや最高210メートルの超高層ビルの建設を公表した。2028年度に主要な建物を着工し、30年代前半に開業する。
都が保有する約19万平方メートルの跡地にスタジアムやホテル、オフィス、マンション、商業施設など9棟を建てる。24年4月に公表した提案内容よりスタジアムのデザインや建物の高さ・面積が具体化した。総事業費は約9000億円。基本計画をもとに設計や工事を進める。
目玉は約5万人を収容する多目的スタジアムだ。屋内全天候型で延べ床面積は約18万平方メートル。都や事業者、有識者による会議での意見を踏まえ、屋根のデザインを扇形にした。貨物列車を引き込むために扇の形状をしていた旧築地市場の面影を残した。
国際会議場やホテル、住宅の複合棟やオフィス棟は最高層の約210メートルを計画する。海外の経営層や高度人材向けにタワーマンションも建てる。国賓や最重要人物(VIP)を受け入れるホテル2棟や、周辺の医療機関と連携した研究開発施設も整備する。隅田川沿いには舟運の船着き場も設ける。

26年度に通路を含む基盤整備に着工する。29年度に日本食を発信する「フードホール」と「シアターホール」の複合施設が先行して開業する。32年度までにオフィス棟を除く7棟が完成し、38年度までに全体の工事が完了する。
三井不動産は「築地の歴史を踏まえつつ東京の国際競争力を高め、世界中から人々が集まる街づくりを目指す」とコメントした。
築地再開発は24年4月に三井不を代表とする連合が事業者に選ばれ、25年3月に基本協定書を結んだ。朝日新聞社やトヨタ自動車も協力企業に名を連ねた。都や事業者、有識者による会議で基本計画の策定に向けて議論していた。
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