高市早苗首相は13日の参院予算委員会で、「反グローバリズム」を掲げる参政党の神谷宗幣代表の質問に対し、「グローバル化は世界経済の発展に寄与してきた」と意義を説いた。日本の平和と安全、経済的繁栄を確保するため「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持と強化」に努める考えを示した。
神谷氏は「我々は行き過ぎたグローバリズムによる政策推進は問題だと訴えている。この点の考え方を聞かせてもらいたい」と尋ねた。
これに対し、首相はグローバル化について「基本的には自由貿易や投資の拡大を通じて、世界経済の発展に寄与してきたと考えている。安定的な国際秩序が世界に拡大する環境の中で、経済のグローバル化と相互依存が進んだという理解だ」と強調した。
弊害に関しては「グローバル化の進展によって、生産コストが安いところに生産拠点が移ってしまい、日本国内の産業の空洞化につながった面もある」と指摘。「一部の国家では、経済的な依存関係を自らの政治的目的の実現のために武器化するといった動向も見られ、経済安全保障上の脅威にもなっている」と述べた。
その上で「そんな状況の中でも、日本の平和、安全、経済的繁栄を確保しなくてはいけない。同盟国や価値観を共有する同志国と連携し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持、強化に努めていきたい」と締めくくった。【田中裕之】
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